◆1.「自然首都・只見」伝承産品ブランド化事業【実施主体:只見町】 |
自然との暮らしの中で育まれた地域固有の伝統的な生活・文化は貴重な財産であり、これらを失わせることなく、地域経済にいかすことが重要です。
町内の資源を用いた伝統的な技術を使った産品について、町が「自然首都・只見」伝承産品として認証を行いブランド化を進めています。現在、35品が認証を受け、町内施設を中心に販売を行っています。
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町関連施設を中心に販売される伝承産品(ふるさと館田子倉) |
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◆2.只見ユネスコエコパーク活動支援補助金事業【実施主体:只見町】 |
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人間と自然との共生を実践するユネスコエコパークのまちづくりを推進することを目的としています。
只見地域の自然環境、生物多様性の保護・保全とそれらを拠り所とした地域の伝統産業、生活・文化の継承、発展に資する活動等に対して支援を行っています。詳しくは、下記をご覧下さい。
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◆3.ただみ豪雪林業体験・観察の森【実施主体:只見町】 |
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只見地域には、戦後、拡大造林政策により採草地などにスギやカラマツが植栽された人工林が存在します。将来の用材利用を目的に造林されたこれら人工林でありますが、木材価格の低迷や割高なコストを背景に利用されることなく、その管理・経営は放置されているのが現状です。一方で、これら人工林は地域資源であり、ユネスコエコパークに登録された只見地域においては、その理念・目的である「人間社会と自然環境の共生」に資するため、持続可能な森林管理・林業経営の実現を図ることが求められています。
今度の森林管理経営の方向性としては、かつてのような収奪的な林業ではなく、資源の持続的な育成、活用と環境負荷を最小化する育成林業を発展させること、そして、只見地域のように豪雪地帯に適応した森林管理技術を開発と普及が考えられます。
そこで、只見町は、豪雪地帯に適応した森林管理技術の開発とその普及、そして体験を図ることを目的に、只見地域での森林管理のモデル林となる「ただみ豪雪林業体験・観察の森」を設置しています。設置にあたっては、2015(平成27)年10月に、只見町内にて体験の森の候補地を公募し、3件の応募があった中で、公募条件と候補地の条件を照らし合わせ慎重に選定を行い、2016(平成28)年に黒谷区に体験の森を設置することとなっています。
■ただみ豪雪林業体験の森での事業内容 |
(1) |
豪雪地帯に適した人工林の整備(除伐、間伐、その他の育林作業、歩道整備、その他の施設)
によるモデルの造成。※「体験の森」は下記の管理区分にて管理する。 |
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①高齢級人工林育成区:大径木生産のための収穫間伐を予定
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②針広混交林育成区:植栽木の内、不良形質木の間伐、有用広葉樹の育成を予定 |
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③一般用材生産林育成区:選抜育林法の実施を予定
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(2) |
豪雪地帯林業の体験(間伐、下刈りなど、町内外者の林業者以外を対象) |
(3) |
持続可能な森林管理の教育と普及(町内外の林業関係者を対象) |
(4) |
森林レクリエーション(山菜採りやクリ拾いなど、町内外者を対象) |
(5) |
環境教育(町内外の小中学生、高校、大学生を対象) |
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■ただみ豪雪林業体験の森の位置
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(広域地図)
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(拡大地図)
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■ただみ豪雪林業体験の森の林相と整備の方向性
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○林相
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広葉樹区
(植栽木:スギがうまく育たず、広葉樹のクリ、
ホオノキ等が主体となっている)
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針広葉樹混交区
(スギに、クリ、ホオノキが混じる)
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針葉樹区A(スギ:植栽木) |
針葉樹区B(スギ:植栽木) |
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◯整備の方向性
・広葉樹区、針広葉樹混交区
形質の良い植栽木(スギ)を残しつつ、その他の植栽木は伐採する。一方で、広葉樹の更新・成長を促進させ、広葉樹林化を進め、将来の広葉樹林用材生産や環境林としての整備を目指す。
・針葉樹区A
植栽木(スギ)の形質は良いは言えず、並材生産を目指す
・針葉樹区B
植栽木(スギ)は高齢で比較的形質が良いため、大径材生産を目指す。
(参照)
鈴木和次郎・中野陽介・須崎智応・田中ゆり子(2017)「ただみ豪雪林業体験・学習の森」に成立する スギ人工林の群集組成と林分構造.只見町ブナセンター紀要6:46-56
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■企業からの事業協力(企業 CSR) |
ユネスコエコパーク登録により野村総合研究所グループの CSR 活動の対象として只見町のユネスコエコパーク関連事業が候補となり、事業説明を経て、「ただみ豪雪林業体験・観察の森」事業について資金提供を受けています。さらに、ただみ豪雪林業体験・観察の森」を通じた只見町と野村総合研究所グループの社員の方々との交流事業が行われています。 |
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◆4.伊南川沿い景観整備事業【実施主体:只見町】 |
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只見地域を流れる伊南川沿いには、希少樹種ユビソヤナギを含んだヤナギ属樹木を主体とした山地河畔林や自然度の高い河川景観や豪雪環境がつくりだした雪食地形とモザイク植生が発達した山岳景観、あるいは、地域住民の土地利用による田園景観があり、来訪者を魅了する景観が存在しています。こうした景観を活かすことは、観光などの面で地域発展の一つの手がかりとなる可能性があります。只見町では、「うつくしい只見町の風景を守り育てる条例」を制定し、景観保全の取り組みを推進していますが、未整備・未活用の景観も存在することから、その整備し、活用の取り組みを推進する必要があります。
本事業では、只見地域の特徴的な景観を道路から眺めることができるように伊南川右岸県道沿いの五カ所において、植栽木(スギ、カラマツ)を伐採しました。植栽木の伐採にあたっては、所有者からの理解と協力をいただきました。これにより景観が整備されたとともに、植栽木を伐採したことで道路への日当たりがよくなり、冬季の雪解けを助ける効果も得られました。
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伊南川沿いの魅力的な景観(左)山地河畔林、(右)雪食地形・モザイク植生の山岳
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整備前 |
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